歯周病はよくなります。次の2枚の写真は同じ人です。
歯周病とは
歯周病は以前は歯槽膿漏(しそうのうろう)といわれていました。 これは「歯槽(歯肉)から膿が漏れる」という症状を表したもので正式な病名は辺縁性歯周炎といいます。 歯のまわり=歯周(歯肉や骨)が病気になった状態です。歯がぐらつき、歯肉から膿が出てきます。 最後には歯が抜け落ちてしまうという恐ろしい病気です。また1本にとどまらず口の中全体に広がっていきます。
歯周病はどうしておこるのでしょうか?
歯肉と歯の間にはポケットという2~3mmくらいのすき間があります。 歯磨きができていないと、このポケットに歯垢(プラーク)がたまります。歯垢は歯周病菌のすみかです。たまった歯垢がかたくなったものが歯石です。 歯石が歯肉のすき間を押し広げていきます。これが積み重なると歯肉が炎症をおこします。これが歯肉炎で、歯周病の第一歩です。 歯周病は結核やO157と同じく「歯周病菌」による感染症です。夫婦間感染が比較的多いこと、親が歯周病の場合、子どもに移る可能性があることがわかっています。
歯石ってなに?
歯垢(プラーク)が残ったままになっていると、唾液中のカルシウムとタンパク質がからみあって歯石になります。歯石は歯肉の上、歯周ポケットにたまっていき、歯周病の原因となります。歯磨きではとれません。歯科医院で定期的にとることをおすすめします。 下の写真は歯垢と歯石が両方ついています
歯周病の検査は?
・歯肉の検査 歯周ポケットの深さをはかります。炎症のあるところは少し押されるような痛みを感じる場合があります。 ・レントゲンの検査 歯肉の下にある歯槽骨は肉眼では見えないので、レントゲン撮影をして調べます。
歯周病はどのように進んでいくの?
①歯肉が赤く腫れ、歯を磨くと出血する. ②ポケットが深くなりそこから出血したり膿みが出たりして口臭を感じる. ③ポケットの炎症が慢性化し、歯槽骨が先端部より溶けてくる。口臭もあり歯が浮いた感じがする。 強くかむと痛む。歯がぐらつく。 ④根を支えている歯槽骨がほとんど溶けてしまい歯のぐらつきがひどい。硬い物は食べられない。
歯周病の治療は?
・①②の状態 歯石をきれいに取って正しいブラッシングをすることで治すことができます。 歯肉だけの炎症=歯肉炎の状態を放置しておくと症状はますます悪化しし歯周炎へとすすんでいきます。 ・③④の状態 歯周ポケットも6~8mmと深い場合が多いので深い所に歯石がついています。 深いところについている歯石もきれいに取って正しいブラッシングをすることは基本的な方法です。 その他に一時的に薬を投与したり、グラグラしている歯を固定することがあります。 ぐらついている歯でも抜くというのは最終的な手段です。救える歯はできるだけ残すようにしましょう。 ムシ歯と違って、歯周病は激しい痛みがなくすすんでしまう場合が多いので、定期的に検診を受けることをおすすめします。
毎日ていねいに歯磨きをすることが治療
歯垢(プラーク)をきちんと落とすようていねいな歯磨きをすることが自宅でできる歯周病の治療です。 歯ブラシの当て方や方法は その方の歯の状態や歯肉の状態で、おすすめする方法が違いますので歯科衛生士が個別にお話いたします。
基本は
*歯ブラシの持ち方は、鉛筆と同じようにもつ持ち方(ペングリップ)が最適。磨くときの力をコントロールすることができます。ぎゅっと強く握ると力が入りすぎて、歯肉を傷つけてしまったり歯を削ってしまうことがあるので気をつけましょう。
*歯ブラシの毛の硬さですが、かたすぎる歯ブラシでゴシゴシするのはおすすめしません。
現在、歯周病で腫れや出血のある方はやわらかめの歯ブラシがおすすめです。やわらかい歯ブラシの場合、何ヶ月も同じ歯ブラシを使っていると、毛のコシがなくなりプラークを落とすのに時間がかかります。1ヶ月を目安に交換をおすすめします。
最新★スタッフのイチオシ歯ブラシ
クラプロックス12460